失語症とは、脳卒中や事故などにより大脳の言語中枢が損傷をうけることで、話す、読む、書く、聞いて理解する、などの言語能力に障害が残った状態を言います。湘南あゆみの会は失語症の当事者とご家族で自主運営しているグループです。月1回の集まりや年1回の旅行を通じて交流し、情報交換や言語訓練に取り組んでおられます。3ヶ月に1度は私たち音楽と言語のセラピストが入ります。フィギャーノートは読むことに障害があってもわかりやすいようで、このように30分程度の練習でハンドベルの合奏ができるようになりました。
この日はメンバー2組とご家族組に分かれて、練習、発表しましたが…
ジングルベルチームは、「リハーサル(繰り返し)マーク」に大ブーイング!
「行ったり来たりでわけがわからん!」「そもそも♪ジングルベ〜ル♪の所しか知らないよ。♪笑い声を雪にまけば〜♪って?…知らない。」
それでも互いに「やってみようよ」「がんばろうよ」と励まし合い、なんとか本番を迎えました。さて、結果は…?
ご家族グループは「諸人こぞりて」を。
「きよしこの夜」チームは音数が多いので1人で何本も担当せねばなりませんでしたが、なじみの曲だけに安定の仕上がりでした。
〜当日見学にいらした言語聴覚士さんと傾聴ボランテイアさんの感想〜
「病院では皆さんと同じくらいのお年の方たちと一緒にリハビリするのですが、退院したあとにあまり家から出られない方が多いんです。今こういう場でみなさんが協力しあってわきあいあいとやっているのを見て、とっても感動しました。」
「すごいペースですね。密度が濃くて驚きました。みんなで相談しながら曲を決めて、音の分担を決めて、練習して、その日のうちに本番だなんて。私たちも年に1回先生をお願いしてハンドベルをやりますが、先生がいらっしゃる何回か前から練習したりします。それでも難しいです。フィギャーノート楽譜は分かりやすいようでしたね。ご一緒した方に疲れませんでしたかと伺ったら「少し」と。でも何より「楽しかった」とおっしゃってました。」(15.12.10)